お疲れ様です。
百花繚蘭の店主です。
今日も雨。
ゆっくりと灯りを落とす。
常連様との、どこか照れくさい会話の中に
ふっと見える笑顔が、今日一日のご褒美のようだった。
「美味しかった」
その一言が、全てを報われた気持ちにしてくれる。
雨の音が静かに響く中、胸の奥が少し熱くなる。
明日は定休日。
でも、やっぱり市場には足を運ぶ。
食材を見ていると、自然と頭の中で新しい皿が生まれていく。
休むようで、休めない——
それでも、そんな自分が嫌いじゃない。
料理は続く。
雨の夜も、想いの中で次の一皿が育っている。
